人は変わることはできない。
「恋愛が上手くいかないのは変わっていないからだ」
「行動していないからだ」
落ち込んだり凹んだりしたときに藁をもすがる思いでネットを検索するとこんなような言葉が書いてあったりする。
「そうか、変わっていないからだ」「行動が足りないからだ」と鵜呑みにし、変わろうとしたり、さらなる行動をしようとする。
確かに現状に満足いかなければ変化と行動を起こすしかないのは分かる。
しかし、変化と行動の弊害があるのも事実である。
そもそも「変わる」とはなんだろうか。
今の自分から全く新しいパーフェクトな自分になることを思い描いているのかもしれない。
それはさながら、さえない主人公がスーパーヒーローになるような感覚である。
申し訳ないがそんなことは100%ありえない。
「変わる」という言葉を使うから複雑になるのだが人は「変わる」のではなく、「付け加える」ことしかできない。
「あの人は変わった」「今の自分は昔の自分と変わった」などというが変わったのではなく、新しい考え方、行動力、思考を身につけただけである。
つまり、以前の自分に何かを「付け加えた」のである。
過去の自分という土台があり、そこに「付け加える」。
これが「変わった」ということである。
となると、ネットなどの情報を鵜呑みにして変わろうとしても変わるわけがない。
自分という土台がないからである。
ネットなどの情報を取り入れ、それをもとに自分がどういう風に活かせるかを「付け加えられるか」を考えなければ情報など無意味なのである。
ネットなどの情報は参考にはなるが答えは載っていない。
面倒だがネットの情報から自分なりに使えるところをピックアップして自分に「付け加える」ことでしか「変わる」ことはないのである。
「変わろう」「変わってやる」と言ってるうちは変われない。
いろいろなことを試して、失敗して、しっくりくるものを模索しているうちにふと「そういえば、以前はこんなことしなかったな」「昔の自分ならこう思ってたのにな」と考えるようになったときにはじめてその人は「変わった」ことになる。